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波乱の社史
第3章 終戦へ
22 自動車偽電話事件

1977年(昭和52年)2月、新会社発足直後、開発開始した[スタンバイ]は半年で開発完了し、8月発売した。

世界初の[民生用]自動車始動リモコンだった。(VIP警護用なら存在?)派手な報道とは裏腹に、現実の販売は余り良くなかった。

そこで、スポンサーを求めた。このスポンサーへのプレゼント的な意味で、後の[サテレータ][ケーブレス]は、スポンサーの会社を発売元とする予定だった。

が、[穴空きスポンサー]で 彼の甘い計画はことごとく外れ、我社の3000万円の現金支払いを遺し逃げてしまう。却って金に困るぅ~~~!

 

しかし[Iクレーン]を、紹介してくれた事は残った。1979年(昭和54年)夏、[リモコンエース](自社商品名サテレータ10)の試作品1号が納入され、正規生産品は12月から毎月5台の約束で、納品されていた。

だが、支払いは滞りがちだった。天下のI重工系列会社が これだ。唯一の安定収入として 大いに期待していたので、失望も大きかった。

そんな所に降って涌いたのが、この事件だった。

ある日 T特許事務所から、Mという客を紹介された。「違法で良いからコードレス電話の出力の大きい物」を作れるか?と言う事だった。

カタログ画像1

 

 

←立派な企画!だけ・・・・・

 口先電機そのものだ!


Okと答えると共に、相手と接触した。「開発は前金」の原則にも同意を得られた。

技術を認められた、という満足感充分だった。

とりあえず100万円が、支払われスタートした。「残金を支払う。」と言うので行ってみると50万円で、拍子抜けした事も有った。

それでも開発費は徐々に出てきて、その内に仕様が段々と追加されてくる。

カタログ画像2

 

 

 

 

←パンフレットはスゴイ!(本当なら・・・)

 でも、大ウソ!


本当は 仕様を途中で変更してはならない。その場合、今までの作業を、一度清算しないといけない。

そして[それまでに出来ている事]を土台とし、新規の開発見積を すべきなのだ。が、「前金を取っておいて止めるのか」と言う言葉や、開発自体を やりたい気持ちで呑んだ。(こうなると 商売を外れ、趣味だ。)

 

しばらくすると 今度は、量産の準備をしてくれ という。「開発が出来て無い物を、量産準備出来ない」と断ったが「材料仕入れの資金を出す」と言うので、善意で準備をした。

カタログ画像3

 

 

 

← 更にリアルな大ウソ!パンフ


仕事は盛沢山で、全部 並行して行う計画。

電話機能、秘話機能、同時通話無線機能、未経験の180メガヘルツ実用化、ポケットベル機能、それら全部 新規の回路設計からだ。それを半年位でやる。全項目が旨く行って、量産に入れるのだ。戦略的には到底出来ない事が解る。

ところが依頼主M氏には、それでも止められぬ事情があった。当時は、それを筆者も知らない。知るべきで有ったが、他人の経営上の戦略までは、眼中に無かった。

 

技術的に 完成出来るとの 予測以外は、しなかった。M氏の懐の事情まで、読む力は無い。量産準備と言っても部品発注だけだから、相手からの資金が部品に化けるだけだ、と云う積もりで気軽にやっていた。金が出た分だけ仕事をする・・・、それだけだ。

 

カタログ画像4資金が出ると、初ロットに必要と思われる部品を発注した。その額は開発費と同じ、300万円に達していた。そして開発期限頃、大体各部分の性能が出た。

当然 合体しても働く筈だった。ところが合体すると、そうは行かなかった。単体で5Kmや10Km届いた無線が、同時通話として合体すると、3Km位しか届かない。

でも 本当の開発は、これで終わりだ。

 

一般取引の常識では、変だと思うだろう。しかし開発は、そうでは無い。そういう条件で当社は、請け負っていない。

4~5人が半年かかって300万円というのは、作業労賃であって「成功報酬を含んだ物」では無い。一発でうまく行かなかった時の、追加労賃を取って無いから、成功するまで やる義務は無い。

これが 建築の請け負いと、異なる所だ。完成を請け負って居ないのだ!開発の作業しか、請け負ってない!発注主の立場は、不満だろう。

 

しかし、ここに 適切な論理が、存在する。

 

1.社内事情で自社開発を行う時に、担当社員の給与は安定確保されている。給与は[開発リスクを含む給与制度]ではない。

 

2.仕事が不成功でも遅延しても、比例して[給与が不払いになる事]は無い。長期的には考課に因って給与が下がる事も有ろうが、[一件毎]の仕事とは直接無関係だ。

 

3.もし直接給与に響くなら、給与の額を[リスクに見合った高額]にしないと、一方的に減るだけでは、割りが合わない。もらえる(増える)条件が無く、減る条件ばかりの話では、仕事なんか出来んワッ!

 

4.同様に 当社は、開発《作業》を請け負っただけだ。従って、作業労働費しか見積してない以上、追加作業は出来ない。

 

5.それなら【完成品】の注文を出せばよい。が 3~5%の増額では済まない。成功率として合わせて何倍かの金額を、申し請ける事になる。こういう難しい仕事だと何倍か?では済まず何十倍か?を言うだろう・・・当然だ。それでも他に確実な仕事が有る会社は、請けるとは限らない。

 

6.何の作業をやっても[開発]は、一般の作業と分類が違う。建築とて[誰もやった事の無い方式]なら、建築の[開発作業]となる。

 

7.海底の屋敷とか 空中に浮かぶ部屋等、建てる方法が決まっていない時が、その工法を含め[開発]に当たる。

 

8.自宅を建てる時に、そんな建築はしないから通常の建築法で施工される。製品の開発も その手法を、完全に確立してくれれば単純作業の料金でいい。

 

9.それなら誰でも出来るから、誰にでも注文すれば よろしい。無理に100%の自信が無い会社に、注文しなくても良い。

 

10.すると注文主は成功後に支払うと、主張するだろう。

 

11.成功後に報酬が貰え、不成功なら貰えない。報酬が法外でない限り、これは 仕事をする者のリスクで有って、発注者には何のリスクも無い。一方的契約は無いので、開発する義務も無い。これを契約とは言えない。

 

12.そして それは自主開発だから、完成後も、どこに売ろうが、勝手だ。

 

13.[3項の従業員]とて同じで、山師で無いなら まず[安定給与]を確保する。その後 安定給与に加える[上積み]として、+-のリスクと共に[開発を請けるか否か]を考える事を希望をするだろう。

 

従って 誰も、そんな条件の、開発は請けない。・・・はずなのに、あまりに、しつこいので やってしまった。彼は深夜まで会社で居座って帰らないのだ!

 

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