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真空管の詳細

2000,1211講習 最終校正2000.1225

1.真空管の必然性

前に「音を必要な大きさに増幅するのは 別に電気でなくても良い」と言う話をしたと
思う。光を上手に扱える物が有れば・・・今のプリント基板の様に 銅箔が迷路の様に 
なってなくても、基盤の裏側に光が通るアクリルや光ファイバーが走っていて、それを
巧くエッチングする方法があれば・・・出来る。

電気が一番扱いやすかったから、現在の様になった。それでは電気が扱い易い理由は
何か? 昔、エジソンがレコードを録音した時は アンプの回路も何も無かった。
マイクの所に振動板が有り、それがロウを引いたドラムの上に溝を刻んでいった。
その刻んだ溝を 後で再生していた。これがレコードだった。

テープレコーダーも録音時を除けば一緒。録音が付いているのがテープレコーダーで、
録音を家庭で誰でも行う事を止めて 再生だけするのはレコード。
機械式で そうやって出来る。それが電気で出来るようになった大元が真空管。


2.真空管の基本原理

真空管は何故電気を巧く扱えるのか? そのポイントに熱電子と言うのがある。金属を
ドンドン加熱すると赤くなる。加熱して赤い光が見える前に 赤外線が出、もっと行くと
紫外線が出る。目に見えない電子も出てくる。電子が目に見えるようになった物が光。
電磁波も電子の作用で出てくる。

加熱して熱電子を出し その出る具合を調整すると、電子すなわち電流が増減する。
しかし熱そのもので電子の量を加減しようとすると大変な事になる。
火を焚いて加熱しなければならない。
一番簡単な真空管で説明すると、真ん中に細いヒーターがある。そのヒーターに電気を
流すと、中でボォ~っとオレンジ色に光る。ヒーターを電気以外の、例えばストーブや
ランプを使って暖めても一応 電子は出る。しかし電流を調節する労力に比べて 電子の
変化は わずかで、増幅をしているのか何なのか分からない状態になる。

そこで出てきた最初の真空管は電球と一緒だった。電球のフィラメント(昔直線だった
のが工夫の結果 今の形になった)が光るのと同じ様に真空管も此処から電子が出ている。
しかし電子が出ているだけでは電球と一緒でしかない。この電子の量を変化させたり、
陽極を付けて、ヒーターから陽極に向けて電子を飛ばすと、この方向に流れる。
熱電子は熱い方から出るだけなので、反対方向には流れない。これはダイオードと同じ
働き、それを真空管で やっていた。整流や検波作用である。


3.真空管の発展

それが2組入っているのが双2極管。これはヒーターの部分と その外側に黒っぽい
所がある。この黒い部分陽極(プレート)に対して電流が流れていく。陽極からヒーター
(陰極)への一方通行で、ヒーターが暖まってないと どちらにも流れない。
ヒーターというのは 実は語弊がある。昔は直熱型で本当にヒーターだった。しかし
その後 効率良くするため、ヒーターのフィラメントとは別にカソードと言うのを作り、
その中にヒーターを入れた。明るく光るのは円筒全体、フィラメント自体が線で光るので
無く 面で光る為、電子の出る効率が良い。前者を直熱型と言うのに対して後者は傍熱型
という。

二次的に(電子を)出している後者の欠点は、スイッチを入れても直ぐに光らない事。
ラジオのスイッチを入れても直ぐに音が出ないのと一緒。何十秒か待たないと暖まらない。
この所為で音の出るのが遅い。蛍光灯が点くまで時間が掛かるのとは理由が違う。
傍熱型の真空管は此処にある殆ど。これだけ(外観はミニチュア管と一緒だが)直熱型。
何故これが直熱型なのかは、暖まるまでに時間が掛かり その間 余分に電気を食うのを
避けるため。この真空管は電池管、3B4という。3というのは3ボルト、乾電池2個で
ヒーターを暖める。
普通の家庭用ラジオの真空管は6.3ボルト。この電池管はトランジスタが無い時代の
ポータブル機械用の真空管と言う事で 3ボルトで動く。


4.3極管での増幅から

効率が良いと言う以外に、直熱だろうが傍熱だろうが2極管の能力は整流しか出来ない。
陽極が有って、ヒーターがある。これに傍熱型はカソードが別に出てきても、整流の
能力としては陽極対陰極。それがダイオードの アノード対カソード。
傍熱型はヒーターの円筒部分が(中で繋いでいる真空管も有るが)別になっている。
100Vや200Vで整流しているのに、ヒーターの6Vに繋がっていると危険だから。

2極真空管・・・3極だと言わない様に。ヒーターと陰極(カソード)は一体だから。
ダイオードと一緒の2極。ところがトランジスタと一緒の(増幅する)3極管は、ここに
グリッド(格子)・・・間に餅を焼く網のような金網・・・を付けている。さらに外側に
黒や灰色の部分が有る。
この網は電流が流れるのを邪魔している、シールド。金網で電波を出さない様にして
いる。グリッドに どれ位の電圧を掛けるかによって邪魔の度合いが変わる。そうすると
プレートに行く電気の量が変わる。入力の僅かの電圧の変化で、出力の電流量が変わる。

ベースの電圧を変えると、コレクタからエミッタへ流れる電流が変わるトランジスタと
同じ。原理は全く違うが、同じ事の働きをしている。
この網(グリッド)にかける電圧を一定にして、電圧を変えたのと同じ効果を出そうと
すれば どうすれば良いか? 例えば網の目のピッチを変える、網の大きさ そのものを
変える等。それよりも電圧を変える方が簡単だから、この方法でやっている。

電圧で電流を変化させる。しかし電流が変化しただけで電圧が変わるか? 増幅回路の
基本として大概 抵抗やトランスを後ろに繋いでいる。電流の変化が抵抗の間の電圧の
変化になるから、電圧の変化が元より大きな電圧の変化に戻ることになる。
これが増幅で 真空管そのものの役目。
中には この増幅の効率を上げる為、もう1つグリッドを付けたり・・・と色々な
真空管が有る。4極管、5極管・・・7極管もある。

意外にも7極管は珍しくない。先週受信機の回路でコンバーターはミキシングと局発の
2つを足した能力が有ると言ったが、この役目をする真空管はスーパーへテロダイン式の
受信機が出来た時にはポピュラーになり、珍しく無くなった。
ST管の形をした7極管は6WC5、MT管の形の物は6BE6。2つの有名な真空管
が幅を利かしていた。 今日は真空管の成り立ちで終わる。


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