産業機械用無線操縦装置-朝日音響株式会社

地方パートナー店募集中

↑メールはこちらへ

業者頭越し直販は
有り得ません。

TOP > AO技術講習集 >

一筋縄ではいかない、独創意工夫構造の歴史

1.非溶接構造の防塵防滴(受信機)

← 戻る
 

一筋縄ではいかない、独創意工夫構造の歴史

1.非溶接構造の防塵防滴(受信機)

2011年10月

JA5CLB 河野繁美


  【IL】断面

【LI】断面

 

※ 現行品は、後述の「3面蓋」構造へと、

さらに工夫が進んでいます。

 

普通、こうした機械の防塵防滴構造箱という物は、
鉄板外周囲の合わせ目を溶接して作るのが常識の世界でした。
溶接をするには、鉄板自身に、元々、有る程度の厚みは必要で、
薄すぎると、溶接によって穴が開いてしまうし、 そうで無くても、
鉄板全体が熱で歪んで、寸法が合わなくなってしまいます。
しかし、この困難な溶接によって鉄板の合わせ目を閉じてしまわないと、
隙間を残す訳には行かないのが、防塵防滴構造なのでした。

 

溶接の為に板厚を増し、元々重い鉄板製が、
更に重くなるという物しか、出来ないという悩みの品になるのでした。
それでも未だ、隙間を気にして、塗装時には、
念入りに怪しそうな場所へパテを塗ってから、塗装をするという実態が有ります。

 

我が社の製品には溶接品など使わない事にしました。

 

実は、家電品等しか、設計した事の無い身では、
そういう厚い鉄板の物の設計は経験が無く、
又、注文先も、思い当たらないのでした。
それでは、鉄板の合わせ目(箱の角;稜線部)をどう処理して、
防塵防滴構造を満足するか?コレが問題でした。

 

2つの面の合わせ目・・・は、ボール紙による工作でも、
【のりしろ】っと言う、重ね合わせ面積を少し用意します。
雑誌の付録などで、何かを作る厚紙加工の物を見れば、
横長の台形をしている面積の部分が肝心な面の外周に付いているのを
覚えているでしょう。
ああ言う部分を、鉄板製でも、外周部に設けて、
隣り合う面と繋ぐ時にその小さな台形部を重ねればよいのです。
そうすれば、出来た箱の稜線部とは、小さな台形部と、
それに繋がる大きな面積本体部分の連続面積が、
直角に折れ曲がっているだけで、隙間は有りません。
何しろ1枚物なのですから・・・。

 

ただ、台形の、【のりしろ】部と、重ねる隣の面積との間は
何かで、止めなければ成りません。
ボール紙工作の場合は文字通り、糊付けで良いのでしょうが、
鉄の薄板の場合は、ソウは、行きません。

 

他の既存実例では、この様な構造の場合、スポット溶接というのが使われており、
細長い台形の【のりしろ】部の内の何カ所かを
直径3-6ミリ程度の円形に溶かして溶接してあります。
コレは、結果的に言うと、その何カ所かをねじ止めや、リベット止めした事と殆ど同じ事です。
すると・・・一番最初に言った溶接(重くなる溶接)の様に、
稜線の全部をズット溶接していった訳ではありませんから、
スポット溶接、ねじ止め、リベット止めを問わず、
その止めた何カ所か以外では僅かな隙間が有る事になりまして、
埃なら大丈夫だけれど、水や空気は、徐々に侵入してくる事が明らかです。
それでは防塵には出来ても、防水・防滴には成りません。

 

更に、ここで我が社の設備を考えれば、スポット溶接もリベットも無理で、
ねじ止めしか出来ません。
ねじ止め後に、パテ埋めして塗装するなんて変な話は考えられませんから、
組み合わせ構造上の工夫ですませないと、いけませんでした。

 

そこで、【のろしろ】部の重ね合わせ方を、通常と逆にしました。

 

通常はボール紙の工作でも、【のろしろ】部が、
本体面積の裏側へ入り込む様に重ねる物です。
コレを逆に表へ出して重ねたのです。
そうすると、【のろしろ】部の台形が本体部面積の外面で見える事になります。
この、見える事を避けようと、ボール紙の工作でさえ、内側に貼るのですが、
コレを、あえて外側へ重ねたのです。


何のメリットが有るのでしょう? ・・・
通常通り内側に貼った場合の重ね構造の断面を
アルファベット文字を使って簡易表示してみましょう。

 

【IL】断面です。

  【IL】断面 IL断面図
 

この場合、の間の左下側の角が、箱の稜線になってしまいます。
その間の隙間へ水を吹き付けると水の侵入する余地が有ります。

 

これを、逆に貼り合わせ【LI
(上の方へ寄せて短くしたの文字が判り難いかも知れませんが、
の文字に囲まれていると思ってください)

 

【LI】断面

 

※ 現行品は、後述の「3面蓋」構造へと、

さらに工夫が進んでいます。

LI断面

 

LI この重ね合わせですとの文字にの文字が囲まれている為に、
の間の下側から見て、文字の間に隙間が有るとは言えません。
又、の文字というのは、直角に折れている場所も一体であり、継ぎ目は無いのです。

 

この構造で、箱を形成した場合に、箱の稜線に隙間が出来ないのは確かです。
稜線は1枚の鉄板の曲げ目なのであって、合わせ目なのでは有りません。
合わせ目は、そのL型の折り目の内側へ都合良く隠れてしまっているのです。
【のりしろ】部の台形みたいな部分が、不細工にも、外から、見えてしまう構造を
敢えて採用したのは、見映えよりも、実を採った結果なのです。

 


 

2.三面蓋(受信機)

3.業界初のタクティールスイッチ採用(送信機)

4.一見フラットスイッチ風!表面パネルの内製化(送信機)

5.プリンターパネル方式の開発(送信機)

6.ベルトアンテナ(だけではない)充電コードも兼ねていた

7.プリント基板ヒューズ

8.マイクスピーカー付き受信機

9.受信アンテナ線の共用

10.塗装の廃止

 
講演集 トップページへ
朝日音響スタートページへ