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押しボタンスイッチの寿命
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a.レバー操作の優位性

b.多段押しボタンスイッチの歴史解説

c.初期自社2段押しスイッチ

 

【2段押しスイッチ解説シリーズ】

d. 押しボタンスイッチの寿命

2009年7月

JA5CLB 河野繁美


 

レバースイッチの必要性から、2段押しボタンスイッチの歴史解説を行って居ると、
其処に、押しボタンスイッチという物が、常に寿命という物に悩まされ続けていた
事実が、明らかになりました。

其処で、此処に、この押しボタンスイッチが・・・・特にタクトスイッチに於いての
2段押しスイッチを目指す場合という事に焦点を当てて、寿命との関係を
解説してみましょう。

しかし、2段押しスイッチである以前に、普通の1段押しでのタクトスイッチの状態を、
更に、その前に、タクトスイッチを(我が社或いは筆者が)この業界へ登場させる以前の、
普通の押しボタンスイッチでの使用状態から解説して行きましょう。

 

この業界の送信機は、当初は、本来何アンペアも電流を流して使う制御盤用と呼ばれるスイッチと
同じ形状の物を装備して押していました。主に両手の親指で、何センチか押し込んで、
オンになる(通電する)物です。そうしないと、上手く操作できたのか?どうか?解らない
という面を持っていました。何センチか?奥底まで押し込んで、カツンと手応えの
来るまで押し込む、そういう使い方です。

又、その「カツン」・・・をもって、「これで良し」ッとする、気風でして、
「それでも動かない時は故障だ!」っと言う訳です。

中には奥底まで押さなくても、途中で、押している力が急に軽くなる場所があり、
「コリッ」っと言う音か震動が押している指先に届く物も有ります。

レバー式スイッチが、この様な反応です。

レバーを目一杯倒しきらなくても途中で通電する場所があって、手応えで解るのです。

この途中の手応えの場所を幾つも人為的に作った物が、
多段変速用のジョイスティックレバースイッチです。

 

3段と言えば、普通は「低速」「中速」「高速」と考えがちですが、実は、そうじゃなく、
ブレーキ解放・低速維持・高速まで自動増速の3種切り替えです。

たとえ、いきなり高速に切り替えたって、操作対象は重い機械で、急には加速しません。

だから低速から始めて中速から高速へ移行する手動操作など不要なのです。

では何故低速維持なんて、有るのでしょう。最初から高速のままで自動増速を、暫く続けると、
最高速に達します。そこから減速する場合が問題なのです。

低速維持に切り替えても まだ急には、思う低速迄に至りません。

時間が経って徐々に低速に達します。その次に、オフ状態(レバーなら中立)としますと、
弱いながらも、ブレーキが自動的に掛かって、ギューッっと止まります。

そういう風に制御設計をしておくのが普通なのです。

それではブレーキ強度に多少の差はあっても急停止に近くて具合が悪い。ソフトに停止したい・・・・
その為にこそレバーの場合の初段・1段目が有るのです。

ブレーキ解放というのは、さっきまでの低速維持によって低速で走っていた状態から
動力を切っただけのブレーキは掛けない状態を意図的に造った状態です。

もしも押しボタンスイッチでも3段押しですと、きっと、そういう事にするでしょう。

ソウでなくても、独立したブレーキボタンスイッチや、逆向き効果の
ブレーキ解放押しボタンスイッチという物を持つ機械が現に有ります。

 

普通の押しボタンスイッチが脱線して長くなってしまいました。

元に戻して、今2段押しスイッチに使われる元になった1段押しのタクトスイッチ
(フルネームは、タクティールスイッチ)に、移りましょう。

 

このスイッチは、家電製品・IT製品の殆どに使われている、
ライトタッチスイッチとも呼ばれる物です。

やや構造が違う物もありますが、パソコンの文字キーボードにも、
使われている物が有ります。マウスの右左キーの中身は先ず殆ど、このスイッチです。

ソッと押して行くと、コリッとした感じが有って通電する。この事が好まれるのです。

実は、この事が発生する故に我々の業界でも好まれたという経緯があります。

逆に、この事が、無くなると、クレームと言われる元でも在るのです。

そして、このクリック感の発生源ソノモノが、このスイッチの構造の
全てとも言える状況ですし、又、寿命を決定する根源でもありますので、
此処で重点的に述べる事にします。

 

この構造は機械の専門家の方にはダイヤフラムと言えばよいのですが、
一般の方向けに・・・太鼓や三味線の胴に張ってある皮の平面を思って下さい。

あの白い平面を押すと、引っ込みますね。実はタクトスイッチというのは、
そういう様な物なのです。チョット違いもあるのですが、似た様な物で、
中央を押して凹んでいって、そのへこみが下の方に触ったらスイッチが
通電する様な物です。皮が薄い金属だと下の電極と接触して通電する。

当たり前ですね。

只、此処で、チョット違うと言うのは・・・・太鼓や三味線だと、皮の表面は平面です。

完全な平面で、元々凹んでいたり盛り上がっていたりは、しないのですが、
タクトスイッチの場合は、金属板ですので、元々軽く盛り上がったドーム状に
造るのです。

それで、盛り上がった側から押さえて行くと、順々に下がって(凹んで)行って、
或る所を過ぎると急に、ペコッと力が抜けた様に自分から凹みます。
灯油缶の蓋を思って下さい(後述)。

この事が前々から言っています、クリック感です。この、タクトスイッチ以外での、
この構造例を世間で捜してみましょう。塗料、シンナー灯油の金属容器・・・
4リットル、16リットルなどの缶の蓋を思い出して下さい。どうやって開きますか?

中央付近を押して行きます。或る程度押すと、ペコッと音がして、自分で凹んでしまい、
周囲が緩み、外れる様になる。あれの中央平面だけと同じ様な物が
スイッチに入っているのです。コレがタクトスイッチです。 (前出)

 

中央部をぺこぺこ凹ませたり、元の位置までバネ力で戻ったりを繰り返します。

この繰り返しがスイッチの機械的寿命です。

そうして中央部での直径と直角方向への変位量が寿命に関係する事が解ります。

どの様に関係するか?と言えば、変位が大きい程寿命が短くなる訳ですから、
逆に、直径が大きい程寿命は長い訳です。タクトスイッチも色々なサイズが在りますが、
初期に登場した12,5ミリ角品が一番好い事になります。

我が社では、製品が大きくなるのを承知で、最初から一貫して、
この12,5ミリ角品だけを使い続けてきました。

製品を小さく作るのは部品配置設計上の苦心で済ませるべき仕事なのです。

小さい部品を使えば小さく作れるのは当たり前の事です。

大きい部品を使いながら出来上がった製品は限界まで小さく設計されて居てこそ、
技術という物です。

 

さて話を寿命に戻しますと、同一寿命を維持した上での話に於いては、 クリック感という
フィーリングをユーザーが求めている実情に応じるならばクリック感に応じるべく、
上下変位を増やそうとする程直径も大きく無ければ済まない原理の筈です。

 

更に、2段押しスイッチとなれば2段にするのですから少なくとも、
普通の1段押しスイッチに比べて2倍の上下変位量が要求される事は明らかです。

1段目まで押し込んで1段目が通電し、、更に押せば2段目が押されて2段目も通電する。
上下変位量は2倍です。

・・・・この条件であれば、1段目のスイッチは、既に通電しているにもかかわらず、
更に押されてしまうと言う過酷な条件に於かれるという事になってしまうのです。

 

一方2段目のスイッチは?と言えば、操作上、操作(押し)力を徐々に強めて行く内に、
最初にオン(通電)してはイケナイのです。かなり押し力が強まってから
オン(通電)しなければならないという宿命を持っていますこの為、強い力での
変位が繰り返される前提になると言う別の過酷な条件となってしまうのです。

 

こうして、1段目2段目 共に独立して過酷な条件下に在る訳ですが、
これらが両方同時に成立してこそせてこそ2段押しスイッチですから、
どちらか一方が壊れても、もうイケマセン・・・寿命でアウトです。

如何に難しい事でしょう。こういうスイッチだからでしょうか?

スイッチメーカーから、都合好いスイッチが売り出されないのです。

需要が多くない所為も有るのでしょうね。我が業界相手では・・・・

それで、スイッチメーカーでもない我が社が、自社設計、自社生産に乗り出したのです。

それで・・・今のところ2世代目の設計品は順調です。

 

・・・では1世代目は?どうだったのか?どちらも既存の1段押しタクトスイッチを
2つ使って組み立てたのですが、その元の使ったスイッチ自体の寿命不足で、
1世代目は、寿命が、そう長くはありませんでした。

某スイッチメーカーへ特注し量産した物と五十歩百歩程度の寿命で、
やや、良という程度した。

なぜか?というと、本来の規定よりも強く押され過ぎている事が判明して来るのでした。

 

 (※ 詳しくは c.初期自社2段押しスイッチ をご覧ください。)

 

 

e.仕様(がない)書

段々物語 (自社設計2段押しスイッチ開発物語)

 
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